肩が痛い原因と治療法!
こんにちは!
「年をとってから肩の痛みが出始めた」、「一番上まで肩を上げると痛い」、「後ろに手が回らなくなってきた」、「肩の痛みがなかなか引かない」
こんな悩みを抱えているかたにおすすめの記事にです。
年齢を重ねて肩の痛みに悩むことが増えていませんか?
年齢を重ねると、筋力が弱くなったり、関節の周り(筋肉)が固くなったり、関節自体の変形が起きてしまい、それが肩の痛みの原因となります。
本記事では肩の痛みの原因、痛みの症状、治療法、予防・改善する方法を理学療法士監修のもと解説してきます。

肩が痛い!痛みの原因は?
一口に「肩が痛い」と言ってもさまざまな原因があります。
肩の炎症が原因で発生する「肩関節周囲炎(五十肩)」や肩の腱板(インナーマッスル)という組織が傷ついて発生する「腱板断裂」があります。
二つとも同じ肩の痛みですが、症状や治療法に違いがあるので、自分に当てはまる症状がないかチェックしましょう。
肩関節周囲炎
世間では「四十肩」、「五十肩」と言われることが多い疾患です。
老化や使いすぎなどで肩関節周辺の組織に炎症が生じることによって発生します。
症状としては以下の3つが代表的です。
・運動制限:手が上げにくい、後ろに手が回らない
・運動時痛:髪を整えたり、服を着替えるときに痛い
・夜間痛:夜中にズキズキして眠れに時がある。 |
治療せずに自然と軽快していく人もいますが、「いつまでも症状の改善が見られない」、「日常生活に支障をきたすぐらい痛みが強い」という人は早めの病院受診をおすすめします。
腱板断裂
肩のインナーマッスルである腱板という組織が傷ついて穴が開いたり、切れてしまった状態を腱板断裂と呼びます。
年を重ねると腱板がもろくなってしまうので、60歳以上の人がなりやすい特徴があります。
40代や50代の人も腱板を痛めてしまうことがありますが、その原因はさまざまなものがあります。
腱板断裂の原因↓
・肩の可動範囲が狭い
・姿勢が悪い
・肩周りの筋力が弱い
・肩に負担をかけることが多い(頭上での仕事が多い)
・強い外力(転んで手をついた・無理やり重いものを持ち上げたなど) |
腱板断裂は手術以外では組織が修復することはないので自然に軽快することはありません。
肩の痛みや違和感が長引く場合は専門医を受診してください。
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【疾患別に解説! 具体的な症状は?】
肩関節周囲炎
肩関節周囲炎は進行に応じて、急性期、慢性期、回復期に分けられます。
・急性期の症状
発症から約2週間までの間を急性期といいます。
運動するときだけでなく、安静にしているときや寝ているときにも痛みを感じるのが急性期の症状です。
※肩関節内の炎症が原因で安静時や夜間も痛みが生じていまいます。
・慢性期の症状
急性期を過ぎると慢性期に移行します。
慢性期に入ると肩関節の炎症が落ち着くため、安静時や夜間の痛みが軽減します。
この時期の主な症状は肩の可動範囲が狭くなることです。
肩回りの筋肉の柔軟性が低下し、血流が悪くなるので、「肩が重い」、「肩がだるい」といった自覚症状が出てきます。
・回復期の症状
慢性期から約半年経過すると、回復期に移行します。
回復期の症状は慢性期と同じで肩の可動域が狭く動かしにくさを感じるところです。
この時期に適切な運動をすることで徐々に可動範囲が広がり、症状が改善していく流れになります。
腱板断裂
腱板断裂が発症すると、肩を動かしたときや夜寝ているときに痛みを感じるようになります。肩関節周囲炎と違って、関節の動きが固くなることはありません。
肩を安定させる腱板が切れることで、腕に力が入らなくなったり、肩を上げる際にゴリゴリとした音がすることがあります。
「五十肩だと思ってたら腱板断裂だった」という声も多く聞かれる疾患です。
MRIなどの精密検査を受けることで、鑑別することができます。
※レントゲンだけでは腱板断裂を見つけることはできません。
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【疾患別に解説! 具体的な治療方法は?】
肩関節周囲炎
肩関節周囲炎の治療法は主に保存療法(薬物療法、運動療法など)と手術療法に分けられます。
保存療法は病期に応じたものが行われ、改善が見込めなくなると手術療法が適用になります。
急性期の治療方法↓
・三角巾、アームスリングなどを利用し安静にする ・内服(消炎鎮痛剤) ・注射(ステロイド、ヒアルロン酸など) ※急性期は炎症症状が強いので、炎症、痛みを鎮める治療が行われます。 |
慢性期、回復期の治療方法↓
・運動療法、理学療法(関節可動域を広げていく) ・注射療法 ・湿布などの外用薬 ※炎症が落ち着くと同時に関節周りが固くなるので、自身での運動や理学療法士による理学療法で関節可動域を改善していきます。 |
※慢性期、回復期になっても可動域が狭く、症状の改善が乏しい場合は手術療法が適用になります。
腱板断裂
腱板断裂の治療方法も保存療法(注射、運動療法)と手術療法にわかれます。
治療方法の詳細は以下の通りです。
保存療法↓
・注射療法(ステロイド、ヒアルロン酸など) ・運動療法(関節可動域運動、筋力強化など) ※保存療法は断裂した腱板の機能を補填するように、他の筋肉を鍛えていきます。うまく代償できると保存療法で症状が軽快する場合もあります(個人差あり)。 |
手術療法↓
・内視鏡で断裂した腱板を縫合する。 ・1~3週間の入院 ・3~6ヶ月の通院リハビリ ※軽作業は術後2ヶ月以降。重労働は筋力の回復具合や医師との相談により決定する。 |
【肩の痛みを予防・改善させる方法3選】
●姿勢を改善する(胸椎、広背筋のストレッチ)
肩の痛みの原因として、「姿勢が悪い(猫背)」が上げられます。
猫背では思うように手が上げられず、肩に負担をかけてしまいます。
図のようなストレッチを習慣的に行いましょう!※30秒~1分×3セット
●:肩回りの柔軟性を改善する(肩の後ろのストレッチ)
肩の後ろ側が固いと肩の可動域が悪くなってしまいます。
図の運動はどこでも簡単にできるので時間が空いたときによく行いましょう
※30秒~1分×3セット
引用:https://stretch-base.com/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/150604%E8%82%A9%E9%96%A2%E7%AF%80%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81%E2%91%A2%EF%BC%88%E8%A7%92/
●肩回りの筋肉を鍛える(インナーマッスルを鍛える)
肩のインナーマッスルを鍛えることで怪我のしづらい体を作ることができます。
肩のインナーマッスルが弱いと、腱板や関節に負担がかかり、炎症の原因となります。
図のようにチューブ(輪ゴムでもOK)を使って肩の後ろを鍛えるようにしましょう。
※30回×3セット(持久力が必要なので、軽い負荷で多めの回数を行います)
引用:https://www.shimogamo.jp/medical-treatment/shoulder-rehabilitation
【記事のまとめ】
肩の痛みは肩関節周囲炎と腱板断裂が代表的です。
どちらも早めの病院受診をし、適切な治療を受けるようにしましょう。
肩の怪我は定期的な運動や姿勢に気を付けることで予防することができます。
一日一回からでもいいので体操をするように心がけましょう!