成長ホルモン(GH)は筋肥大・体脂肪燃焼・組織修復に不可欠なホルモンです。その分泌を最大化するトレーニング・睡眠・食事の科学を解説します。
目次
成長ホルモンの役割
成長ホルモン(GH:Growth Hormone)は下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモン。筋タンパク質合成の促進(IGF-1を介する)、脂肪分解(脂肪細胞のリポリーシス)の促進、骨・腱・軟骨の修復と強化、免疫機能の維持、コラーゲン合成の促進が主要な役割。GHは拍動性(パルス状)に分泌される→24時間均一ではなく、深睡眠中・運動中・低血糖時などに大きなパルスが起きる。IGF-1(Insulin-like Growth Factor 1):GHが肝臓を刺激して産生するホルモン→実際の筋肉・骨への成長促進作用はIGF-1が担う場合が多い。
トレーニングによるGH分泌の最大化
- 高強度トレーニング(1RM 70%以上)×複数セット×短休憩(60秒以内)でGH分泌が最大化されるという研究がある
- ボリュームトレーニング(多くのセット数・レップ数)は急性のGH反応を引き起こしやすい
- 有酸素運動(特に高強度HIIT)もGH分泌を促進する
- 大筋群を動員する複合種目(スクワット・デッドリフト)が単関節種目より効果が大きい傾向がある
- オーバートレーニングはGH感受性を低下させる可能性がある→適切な回復が重要
睡眠とGH分泌の関係
GH分泌の最大パルスは入眠後最初のノンレム(深)睡眠(SWS:Slow Wave Sleep)中に起きる。このパルスが1日のGH分泌量の大部分を占める→睡眠の量と質がGH分泌の最重要決定要因。睡眠不足・睡眠の質の低下(浅い睡眠・中途覚醒)はGH分泌を著しく低下させる。推奨:就寝前3〜4時間は大量の高GI炭水化物・アルコールを避ける→インスリンはGH分泌を抑制する。寝室の温度・暗さ・静けさの最適化で深睡眠の質を高める。
食事面での最適化
- 空腹状態(断食)はGH分泌を増加させる→間欠的断食が一定のGH促進効果を示す研究がある
- アミノ酸(アルギニン・グルタミン)の摂取でGH分泌が促進されるという研究があるが効果量は限定的
- 就寝前のカゼインプロテイン摂取:GHのIGF-1への変換を睡眠中に維持する可能性がある
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