「脂肪は全部同じ」は誤りです。脂肪にも種類があり、健康への影響が大きく異なります。その科学を解説します。
体脂肪の主な種類とその特性
1. 白色脂肪組織(WAT:White Adipose Tissue):最も一般的な「体脂肪」。皮下脂肪と内臓脂肪に分かれる。主な役割:エネルギー貯蔵・断熱・ホルモン分泌(アディポカイン)。2. 皮下脂肪(SAT:Subcutaneous Adipose Tissue):皮膚の直下に蓄積。「つまめる脂肪」。エネルギー貯蔵機能が主。健康リスクは内臓脂肪より相対的に低い(「良性脂肪」とも呼ばれる)。女性はホルモン(エストロゲン)の影響で皮下脂肪が蓄積しやすい。3. 内臓脂肪(VAT:Visceral Adipose Tissue):腹腔内の臓器(肝臓・腸・膵臓等)周囲に蓄積。炎症性サイトカイン(TNF-α・IL-6)を大量分泌→全身性炎症の主要因。インスリン抵抗性・2型糖尿病・心血管疾患・癌(一部)のリスク増大と相関(多数の大規模疫学研究)。内臓脂肪が「危険な脂肪」とされる理由。
褐色・ベージュ脂肪:「燃える脂肪」の科学
- 褐色脂肪組織(BAT:Brown Adipose Tissue):ミトコンドリアが豊富(鉄分により茶色に見える)。熱産生(非震え熱産生):UCP-1(アンカップリングタンパク質-1)を通じてATP産生の代わりに熱を発生させる。新生児に多く、成人では頸部・鎖骨上・縦隔周囲に少量残存。寒冷刺激・βアドレナリン受容体刺激で活性化。活性化したBAT量が多い成人は、体重・BMI・内臓脂肪が少ない傾向
- ベージュ脂肪(Beige Adipose Tissue):白色脂肪の中に誘導される「中間型」脂肪細胞。刺激(寒冷・運動・一部ホルモン)により白色脂肪がベージュ化(ブラウニング)する現象。アイリシン(Irisin)の役割:筋収縮(トレーニング)→PGC-1αの誘導→FNDC5タンパク質の切断→アイリシン(マイオカイン)として血中に放出→白色脂肪をベージュ化する可能性(2012年Bostrom et al. が初報告、以降研究継続中)
トレーニングによる体脂肪への影響
内臓脂肪が「先に減る」メカニズム:運動(有酸素運動・筋トレ)→カテコラミン(エピネフリン)放出。内臓脂肪はβアドレナリン受容体密度が高い→脂肪分解(リポリシス)への応答性が高い。同じカロリー制限でも「運動あり」グループは「運動なし」より内臓脂肪を優先的に減少させるとするRCTが複数。有酸素運動と筋トレの組み合わせ:有酸素単独より有酸素+筋トレの組み合わせが内臓脂肪減少に最も効果的とするメタアナリシス。アイリシンを介したベージュ化も長期的な代謝向上に寄与する可能性(研究継続中)。「体重の数字」より「内臓脂肪の量」を気にすることが、健康管理上より重要です。
保土ヶ谷・和田町のcortisでは、内臓脂肪の減少と代謝改善を目指す科学的なトレーニング・栄養プログラムを提供しています。
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