RPE・RIRは、筋トレの「その日のきつさ」と「あと何回できるか」を使って強度を調整する目安です。初心者はRPE7〜8、つまり2〜3回ほど余力を残す範囲から始めると、フォームを保ちながら記録を積みやすくなります。ただし推定には誤差があるため、重量・回数・体調と一緒に判断します。
30秒で分かる結論
- RPEはセット全体の主観的なきつさを数値化する指標です。
- RIRは同じフォームで「あと何回できたか」を推定する指標です。
- RPE10=RIR0、RPE9=RIR1、RPE8=RIR2が代表的な対応です。
- 初心者ほど誤差が出やすいため、最初から限界まで追い込む必要はありません。

公開日:2026年6月8日 更新日:2026年8月26日
RPE・RIRとは?まず定義をそろえる
RPEは主観的なきつさの尺度
RPEはRating of Perceived Exertionの略で、日本語では自覚的運動強度などと表現されます。筋トレでは、セット終了時のきつさを1〜10で表す方法が広く使われています。本記事ではRIRと対応させた10段階のRPEを扱います。持久運動で使われる6〜20のBorgスケールとは数値の意味が異なるため、記録時はどの尺度かを明記してください。
RIRは「あと何回できたか」の推定
RIRはRepetitions in Reserveの略です。同じ重量とフォームを保ったまま、あと何回反復できたかをセット終了時に見積もります。RIR2なら「あと2回程度できた」と判断した状態です。反動や大きなフォーム崩れを使った回数は、余力に含めません。
オートレギュレーションとは
オートレギュレーションは、事前に決めた重量だけを機械的に守るのではなく、その日の体調や動作を見て負荷を調整する考え方です。RPE・RIRはその判断材料になりますが、痛みや体調不良を我慢するための道具ではありません。
RPEとRIRの対応表
| RPE | RIRの目安 | セット終了時の感覚 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 10 | 0回 | 同じフォームでは追加できない | 限界に近く、頻繁には使わない |
| 9 | 1回 | あと1回なら可能 | 高強度の日や最終セット |
| 8 | 2回 | あと2回ほど可能 | 筋力・筋量を狙う基本範囲 |
| 7 | 3回 | あと3回ほど可能 | フォーム練習や導入期 |
| 6以下 | 4回以上 | 余裕が大きい | ウォームアップや技術練習 |
この対応は絶対値ではありません。研究でも経験、種目、負荷、疲労によってRIR推定の精度が変わることが示されています。特に初心者は余力を少なく見積もることがあるため、数値を正解扱いせず継続記録で補正します。
筋トレ強度の調整にRPE・RIRを使う理由
日によるコンディション差を反映できる
睡眠、食事、仕事の疲れ、前回トレーニングからの回復によって、同じ重量でもきつさは変わります。予定重量が重すぎる日は下げ、余裕が大きい日は少し上げる判断ができます。
毎回限界まで行わずに刺激を管理できる
全セットをRPE10まで行うと、フォームの乱れや疲労が大きくなる場合があります。RPE7〜8を中心にすれば、余力を残しつつ総セット数を確保しやすくなります。限界まで行うかどうかは目的、種目、安全性、経験で決めます。
重量が変わっても共通の言葉で記録できる
マシン、ダンベル、自重では重量の意味が異なりますが、「10回でRPE8」のように記録すれば、前回との比較がしやすくなります。自宅での実践はダンベルだけで行う全身トレーニングも参考になります。
初心者向け:RPE・RIRの使い方5ステップ
1. 目標回数を決める
まず8〜12回など、フォームを確認しやすい範囲を決めます。回数だけで筋力や筋量が決まるわけではありませんが、毎回条件をそろえると比較しやすくなります。
2. 軽い重量でウォームアップする
本番より軽い重量で関節の動きとフォームを確認します。ウォームアップをRPE6以下に抑え、本番セットのために疲れすぎないようにします。
3. 最初はRPE7〜8を狙う
セット終了時に2〜3回の余力が残る重量を選びます。予定回数より前にフォームが崩れたら、次のセットで重量を下げます。余裕が大きすぎても、その場で急に大幅増量せず小さく調整します。
4. セットごとに記録する
種目、重量、回数、RPEまたはRIR、休憩時間、痛みの有無を記録します。「スクワット40kg×10回、RPE8」のように残すと、次回の開始重量を決めやすくなります。
5. 次回は1要素だけ変える
全セットでRPE7以下だった場合は、次回に重量または回数のどちらか一方を少し増やします。RPE9以上が続いた場合は重量、回数、セット数のいずれかを減らします。一度に複数を変えると原因が分かりにくくなります。
初心者の基準
「限界を当てる」より「同じフォームで記録を重ねる」ことを優先します。数週間の記録から、自分のRPE7・8・9の違いを学習していきます。
具体例:種目別のRPE・RIR判断
スクワット
10回目で立ち上がれるものの速度が少し落ち、「あと2回は同じ深さでできる」と判断した場合はRPE8、RIR2の目安です。深さが浅くなったり膝や腰に違和感が出たりした場合は、余力があってもセットを終了します。
ダンベルプレス
左右差が出ず、肩甲骨と手首の位置を保てる反復を基準にします。最後の数回で可動域が短くなるなら、単純に「あと何回上がるか」ではなく、同じフォームでできる回数をRIRとして考えます。
ラットプルダウン
反動で上体を大きく倒せば回数を追加できても、それは同条件の反復ではありません。胸を軽く張り、肩がすくまないフォームを基準に余力を判断します。
RPEに応じた重量・回数の調整方法
| 実際のRPE | 状態 | 次セットの例 |
|---|---|---|
| 6以下 | 余裕が大きい | 重量を小幅に上げる、または回数を1〜2回増やす |
| 7 | やや余裕 | 同じ重量を維持し、フォームを確認 |
| 8 | 目標どおり | 同条件を維持 |
| 9 | 予定より高い | 重量か回数を小幅に下げる |
| 10 | 限界 | 次セットを減量し、必要なら終了 |
増量幅は器具の最小刻みに合わせます。ダンベルで大きな重量差しか選べない場合は、先に回数を調整します。トレーニング頻度との関係は横浜でジムに通う女性の頻度ガイド、休養については筋トレを毎日行う場合の休養と頻度で確認できます。
RPE7〜8
フォーム優先
重量・回数・RPE
1要素だけ変更
RPE・RIRでよくある失敗
RPE8を「楽な運動」と考える
RPE8は余力が2回程度ある状態で、簡単なウォームアップとは異なります。一方で、歯を食いしばって限界まで行う状態でもありません。自分の基準を作るには、同じ種目を継続して記録します。
種目が変わっても同じ感覚だと思う
スクワットとアームカールでは、呼吸の苦しさや局所疲労が異なります。種目ごとに記録し、全身の息切れだけでRPEを決めないようにします。
毎回RPE10で精度を確かめる
余力推定の確認は役立つ場合がありますが、毎セット限界まで行う必要はありません。安全に実施できる種目を選び、必要に応じてトレーナーの補助を受けます。
数値だけで痛みを無視する
RPEが低くても痛みやしびれがある場合は継続しません。RPEは体調評価や医療判断の代わりにはなりません。
週間プランへ組み込む方法
週2回の全身トレーニング例
1日目はスクワット、プレス、ローイングをRPE7〜8で行い、2日目も同じ動作パターンを別種目で行います。各種目2〜3セットから始め、翌日の疲労が強い場合はセット数を減らします。
疲労が高い日の調整
ウォームアップから予定より重く感じる場合は、その日の重量を5〜10%程度下げる、回数を減らす、種目を簡単にするなどの選択があります。睡眠不足が続く場合は休養を優先します。
栄養と体重変化も別に記録する
筋トレ記録だけで食事状態は判断できません。たんぱく質量の考え方は筋トレ時のたんぱく質摂取量ガイド、体重以外の評価は体重が変わらなくても体型が変わる理由をご参照ください。
安全に使うための注意点
フォームが崩れたらRIRを残して終了する
筋肉に余力があっても、関節位置や可動域を維持できない場合は終了します。RPE・RIRは回数を無理に追加するためではなく、適切なところで止めるためにも使えます。
痛み・めまい・強い息苦しさは別問題
運動中に鋭い痛み、胸部の違和感、めまい、強い息苦しさなどがある場合は中止してください。症状が続く場合や、持病、服薬、けが、手術後などに該当する場合は医療機関へ相談してください。本記事は診断や治療を目的としたものではありません。
研究の限界
RIR推定の精度は経験者ほど高まる傾向がありますが、全員が正確に判断できるわけではありません。研究の対象者、種目、負荷条件にも限界があり、一般的傾向が個人へそのまま当てはまるとは限りません。
まとめ:RPE・RIRは「記録して補正する」強度調整ツール
RPEは主観的なきつさ、RIRはあと何回できるかの推定です。初心者はRPE7〜8、RIR2〜3程度から始め、重量・回数・フォーム・体調を記録してください。推定値を正解扱いせず、同じ種目の記録から自分の尺度を学ぶことが実践のポイントです。
横浜・保土ケ谷・和田町でフォームと負荷設定を確認したい方は、cortisのトレーニングメニューをご確認ください。現在の記録を見ながら始め方を相談したい場合は、無料体験・相談フォームからお問い合わせいただけます。
RPE・RIRのよくある質問
RPE8はRIR何回ですか?
RIRベースの10段階尺度では、一般にRPE8はRIR2、つまりあと2回ほど反復できる状態を指します。ただし推定には個人差があります。
初心者はRPEいくつで筋トレすればよいですか?
まずRPE7〜8を目安に、フォームを保てる重量から始めます。数値よりも、痛みなく同じ動作を再現できることを優先してください。
RPEとRIRはどちらを記録すればよいですか?
どちらか使いやすい方で構いません。混乱を避けるため、同じトレーニング期間では表記を統一すると比較しやすくなります。
毎セットRPE10まで追い込む必要がありますか?
必要ありません。多くのセットは余力を残して実施できます。限界に近いセットを使うかは、目的、種目、安全性、経験に応じて判断します。
前回と同じ重量なのにRPEが高いのはなぜですか?
睡眠、食事、休憩時間、前回からの回復、フォームなどが影響します。記録を見直し、重量・回数・セット数のどれかを調整してください。
