超加工食品を減らすと体重減少が“有意に大きい”
食事ガイドラインを満たす条件でも、「超加工食品(UPF)を減らす」と体重減少が有意に大きくなることを示した Nature Medicine(2025年8月4日)のRCTが公開されました。背景として、Nature(2025年9月3日)は 体重増の鍵として「エネルギー密度」と「食べる速さ」も指摘しています。
一次情報: Nature Medicine(RCT本文) / Nature(背景解説)
※外部リンクは公式一次情報を最優先。画像は使用せずテキストで安全に構成しています。
背景
超加工食品(UPF)は世界的に摂取割合が高く、肥満や代謝異常と関連づけられてきました。 最新の総説や介入研究では、加工度だけでなくエネルギー密度(gあたりのカロリー)と 食べる速さ(咀嚼・テクスチャ)が摂食量と体重変化に影響する可能性が示唆されています。
参考:Natureの最新解説では、エネルギー密度やテクスチャが摂食ペースに影響し、過剰摂取につながる可能性を示唆。一次情報は上記リンク参照。
要点(30秒で理解)
- RCTの結論:「ガイドライン準拠」かつ「同等の栄養バランス」でも、UPFよりMPF(最小加工)で体重減少が有意に大きい。
- 効果量:8週間の体重変化は、MPFで−2.06%、UPFで−1.05%。
差は−1.01%ポイントで統計的に有意(P=0.024)。 - 示唆:「何カロリー食べるか」に加えて、“何をどう食べるか”(加工度・密度・食べる速さ)の設計が重要。
出典:Nature Medicine(2025/08/04)RCT本文
詳細(研究デザイン)
- デザイン:2×2クロスオーバーRCT(各8週間×2期、成人55名/ITT=50)
- 介入食:英国「Eatwell Guide」に準拠したMPFとUPFを比較(随意摂取)
- 主要評価項目:体重の%変化(ベースライン→8週)
- 結果:MPFの方が体重・体脂肪・内臓脂肪などでより良好な変化を示す指標が複数(統計的有意差あり)
- 安全性:両群で軽微な消化器症状はあるが大きな有害事象は記載なし(本文参照)
詳細は一次情報をご確認ください(上部リンク)。
実務での活用(今日からできる置き換え)
① エネルギー密度を下げる
- 飲料:加糖飲料→無糖炭酸水/お茶
- 主食:菓子パン→全粒粉パン/未精製の穀類
- 惣菜:揚げ物→蒸し・茹で・焼き中心+野菜量を増やす
② “食べる速さ”を遅くする
- 噛み応え:柔らかすぎる食品を減らし、咀嚼回数が増える食材へ
- 食べ方:よく噛む・小皿に分ける・ながら食べを避ける
③ 加工度の低い“定番”を作る
- 朝:プレーンヨーグルト+果物+ナッツ
- 昼:雑穀ごはん+魚/鶏むね+小鉢
- 間:プロテイン+素焼きナッツ(量は掌1杯)
注意点
- 本研究は英国の食事ガイドライン準拠かつ随意摂取の条件。文化や食品の違いで効果は変動し得ます。
- 医療的減量が必要な場合は、医師・管理栄養士へ相談を。
医療・栄養の一般情報であり、個別の診断・治療を代替しません。
出典
- Nature Medicine(2025-08-04):Ultraprocessed or minimally processed diets… RCT
- Nature(2025-09-03):Are ultra-processed foods really so unhealthy?
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