デスクワークの肩こりは「肩甲骨」から改善|座ったまま3分セルフ整体(動画)

【整体師監修】デスクワークの肩こり改善|肩甲骨はがし+首ストレッチ(動画で解説)
日原裕太
監修・解説
整体師 日原裕太

Self Care Guide

デスクワークの肩こりを
「肩甲骨」からラクにする。

現役整体師が教える、座ったままできるセルフ整体術。
原因・チェック法・3分ケアを動画で解説します。

この記事は約5分で読めます(動画実践込み)
📌 この記事の結論
  • 結論:肩こり改善には「肩甲骨を動かす」ことが有力な方法の一つです。
  • 根拠:同じ姿勢で固まった筋肉をほぐし、血流を促すことが重要とされています。
  • 今日やること:まずは壁チェック → 3分ストレッチ → 1時間おきの小休憩。

Introduction

はじめに

日原
日原
こんにちは!cortis代表のヒハラです。
毎日のデスクワークで「肩こりがひどくて辛い…」と悩んでいませんか?
10:00
cortis
お客様
そうなんです!
仕事がはかどらないし、ひどい時は頭痛まで…。
10:01
既読
日原
日原
それは辛いですね。
今回は、少しの時間で肩こりが楽になることが期待できる「セルフ整体術」を動画で解説します!隙間時間に実践するだけで、変化を感じやすいですよ。
10:02

肩こり重症度チェック

当てはまる項目をタップしてください(0〜6点で診断)

デスクワークで1日5時間以上座っている
気がつくと猫背や前かがみの姿勢になっている
首を後ろに倒すと詰まるような痛みがある
夕方になると頭痛や目の奥の疲れを感じる
腕を真上に上げると、耳の横までつかない
マッサージに行ってもすぐに凝りが戻る

項目をチェックすると診断結果が表示されます

01

肩こりの3大原因

なぜ揉んでも治らない?「静的負荷」「肩甲骨」「筋持久力」の関係。

02

可動域セルフチェック

壁を使って30秒で診断。あなたの肩の「固まり度」を数値化。

03

3つの改善ストレッチ

座ったままOK。現役整体師が動画で教える「肩甲骨はがし」。

⚠️

先に受診した方がいい症状(赤旗)

以下の症状がある場合は、単なる肩こりではなく他の病気が隠れている可能性があります。セルフケアの前に医療機関(整形外科など)を受診してください。

  • 手や腕に「しびれ」や「明らかな筋力低下」がある
  • 安静にしていても痛む、または夜間痛(寝ていても痛い)がある
  • 発熱を伴う、または転倒や事故などの外傷後である
  • 胸の痛みや息苦しさ、めまい、ろれつが回らない
  • 原因不明の体重減少がある

Mechanism

肩こりの原因(3因子モデル)

肩こりがひどい時は、肩甲骨周りの筋肉が固まっていることが多いですが、原因はそれだけではありません。
「同じ姿勢」「肩甲骨の動き」「筋持久力」の3つの要素が絡み合っています。

肩こりを悪化させる3つの因子

  • 1 静的負荷(同じ姿勢が長い)

    筋肉は動かさないとポンプ作用が働かず、血流が滞ります。デスクワークで長時間固まること自体が最大の負担です。

  • 2 猫背・巻き肩(肩甲骨が動かない)

    背中が丸まると、肩甲骨が外側に広がり、動きがロックされます。この状態で腕を使うため、首や肩の筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋)が常に引っ張られ緊張します。

  • 3 筋持久力の低下

    運動不足により、頭の重さ(約5kg)を支えるための首や肩の筋持久力が低下し、夕方になると支えきれずに痛みが増します。

📚 研究による裏付け

・運動(首/肩の強化)でオフィスワーカーの頸部痛が軽減した報告があります。

・エルゴ調整+運動の複合介入が、職場での頸部痛予防に有効とされています。

・ガイドラインでは運動療法や肩甲帯の強化が推奨されています。

結論

ただ揉むだけでは解決しにくい場合があります。「こまめに動かす(血流改善)」+「可動域を広げる(肩甲骨)」+「軽い運動刺激を入れる」の3点セットが、有力な改善策となります。

肩周りの筋肉図

図1|肩周りの筋肉構造(僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋など)

Self Check

肩甲骨の可動域チェック

肩こりがひどい時は、自覚しにくいですが肩甲骨の動きが悪くなっています。
壁を使って簡単にできる方法で、今の可動域を確認してみましょう。

やり方:
  • かかと・背中・腕を壁にピタッとつけて立ちます。
  • 腕を肩の位置まで伸ばし(手のひらは下)、壁から離れないようにゆっくり上げていきます。
  • 無理なく上がったところの「角度」を確認してください。
あなたの肩甲骨の状態は?(判定)
角度 状態判定
45度未満 重症
筋肉がガチガチに固まっており、動きが悪く肩こりを強く感じやすい状態です。
45〜60度 要注意
肩甲骨周りの筋肉がやや硬く、動きが少し悪くなってきています。
60度以上 正常
肩甲骨は正常に動いています。肩こりを感じる場合は別の原因(ストレートネックなど)の可能性があります。
角度の目安

図:腕の角度の目安

効果を高めるための実践ルーティン

今日3分コース(仕事中)

トイレ休憩やコーヒーブレイクのついでに。

  1. 肩甲骨はがし①:5回
  2. 座ったままストレッチ:10秒 × 2セット
  3. 首ストレッチ:左右15秒ずつ
📅

2週間改善プラン

まずは2週間続けてみてください。

  • 頻度:平日ほぼ毎日
  • タイミング:1時間に1回、20〜60秒の「ちょこっと休憩」を入れる
  • 目標:「痛みが出る前に動かす」習慣をつけること

Stretches

動画で解説!ストレッチ方法

01

Scapula Peel

肩甲骨はがし①

📋 手順
  1. 両肘を曲げて、肩よりも上に上げます。脇を広げ、手は鎖骨の高さに。
  2. 両肘をゆっくりと後ろに引きます。位置は保ったまま肩甲骨をしっかり寄せます
  3. 寄せながら肘を下げ、脱力します。これを5回繰り返します。
🚫 よくある間違い: 肩をすくめてしまう / 腰を反りすぎてしまう
🛑 中止サイン: 肩に鋭い痛みが走る / 腕にしびれが出る

02

Sitting Stretch

肩甲骨はがし②(座ったまま)

📋 手順
  1. 椅子に座り、肘を伸ばして両手を肩の高さで組みます。
  2. 手を前に伸ばしながら背中を丸め、肩甲骨を開きます
  3. 次に、肩甲骨を寄せながら肘を後ろに引きます。
  4. 前後10〜15秒キープします。
🚫 よくある間違い: 呼吸を止めてしまう / 反動をつけて勢いよく行う
🛑 中止サイン: 背中や腰に激痛が走る

03

Vertical Move

肩甲骨はがし③

📋 手順
  1. 肘を90度に曲げ、腕を肩の高さまで上げ、顔の前で合わせます。
  2. 腕を上げたまま、肩甲骨が中央に来るようにゆっくり後ろに引きます。
  3. 手の甲が頭の上で合わさるように、ゆっくり腕を上げます。
  4. ゆっくり下げて元の位置に戻ります。
🚫 よくある間違い: 腕を上げるときに頭が前に出てしまう
🛑 中止サイン: 肩の関節にひっかかりや痛みを感じる

Neck Stretch

簡単首まわりストレッチ

肩甲骨だけでなく、つながっている首の筋肉もほぐすとより効果的です。

肩甲挙筋のストレッチ

  1. 左腕を下げます。
  2. 右手で左後頭部を持ち、右斜め前に傾けます。
  3. 15〜30秒キープ。反対も同様に。
🚫 NG:強く引っ張りすぎる
🛑 中止:首筋に電気が走るような痛み

頭板状筋のストレッチ

  1. 両手で後頭部を持ちます。
  2. 頭の重さを使って前に傾けます(背中は丸めない)。
  3. 15〜30秒キープ。
🚫 NG:背中を丸めてしまう
🛑 中止:めまいや吐き気を感じる

Environment

デスク環境チェックリスト

ストレッチで体をほぐしても、普段の環境が体に負担をかけ続けていては効果が半減します。
正しい姿勢を保つためのデスク環境を確認しましょう。

🖥️ モニターの位置

  • 高さ:モニターの上端が目線と同じか、やや下になるように
  • 距離:腕を伸ばして指先が画面に触れる程度(約40cm以上)

🪑 椅子と姿勢

  • 肘:キーボード操作時に肘が約90度になり、肩がすくまない高さ
  • 足:足裏全体が床にしっかりついていること(つかない場合は足置きを利用)
💡 ポイント:キーボードとマウスは体の正面に配置し、体を捻じらないようにしましょう。

仕事中のマイクロブレイク

60分ごとに20〜60秒の「ちょこっと休憩」を入れましょう

💪

肩すくめ→ストン
3回繰り返す

🔄

肩甲骨寄せ
5回繰り返す

👀

目を遠くに
10秒(眼精疲労対策)

FAQ

よくある質問

Q ストレッチはいつやるのが効果的?
筋肉が温まっている「お風呂上がり」が最も可動域を広げやすいです。また、デスクワーク中は「1時間に1回」程度のこまめな休憩(マイクロブレイク)として行うと、凝り固まるのを防ぐことができます。
Q 痛みがある場合もやっていい?
「イタ気持ちいい」程度ならOKですが、鋭い痛みやしびれがある場合は直ちに中止してください。炎症が起きている可能性があるため、無理せず整形外科を受診しましょう。
Q ストレートネックと言われていますが、同じストレッチで良いですか?
基本的には有効ですが、首を後ろに倒す動作で痛みが出る場合は避けてください。まずは肩甲骨周りをほぐすことから始め、首への負担を減らすことが優先です。
Q 肩甲骨の角度は正常なのに肩こりがあるのはなぜ?
可動域は保たれていても、「筋持久力不足」や「眼精疲労」、「ストレスによる噛み締め」などが原因の場合があります。その場合はストレッチに加え、軽い筋トレやリラックス法を取り入れるのが有効です。
Q 頭痛がある日はどれを優先すればいいですか?
緊張型頭痛(締め付けられるような痛み)の場合は、首の後ろ(頭板状筋)のストレッチや温めることが有効な場合があります。ズキズキする偏頭痛の場合は、動かすと悪化することがあるため安静にしてください。
Q どれくらいで変化が出ますか?
個人差はありますが、直後から軽さを感じる方も多いです。慢性的な凝りの根本改善には、まずは2週間ほど継続してみてください。
Q 痛み止めや湿布と併用していいですか?
併用しても問題ありません。ただし、薬は痛みを抑えるものであり、根本的な筋肉の緊張をとるものではないため、痛みが落ち着いている時にストレッチを行うことをお勧めします。
Q 改善しないときは何科に行けばいいですか?
まずは「整形外科」を受診し、骨や神経に異常がないか確認してください。異常がない場合は、整骨院や鍼灸院、専門のトレーナーへの相談も選択肢となります。
Q 筋トレを足すなら何が安全ですか?
「シュラッグ(肩をすくめて下ろす)」や「ローイング(チューブなどで肘を引く)」など、肩甲骨を寄せる動きがおすすめです。低負荷・高回数で行いましょう。
Q デスクワーク中にできる最も手軽なケアは?
「肩をすくめてストン」を3回行うだけでも、僧帽筋の血流が促され一時的な緊張緩和につながります。1時間に1回、たった10秒でできるのでおすすめです。

Summary

まとめ

日原裕太
まとめ:
今回はデスクワークで辛い肩こりを感じている人に向けた、セルフストレッチを解説しました。

肩こり改善には「肩甲骨」をしっかり動かし、血流を促すことが有力な方法の一つです。
今回紹介したストレッチは短時間で取り組めますので、仕事の合間や隙間時間を利用して、ぜひ継続してみてください!

次にやること:
① 壁チェックで今の状態を確認
② 今日3分コースを試す
③ 改善しない場合は専門家に相談

関連記事

体の不調、プロに相談しませんか?

cortisでは、運動・栄養・整体の観点から、あなたの体をトータルサポートします。

LINEで相談する
日原裕太

日原 裕太

cortis代表 / 心理学士 / パーソナルトレーナー

NSCA-CPT 出版プロデューサー
Mission

心と体の健康を通じて、自分らしい選択ができる人を増やす。

Media

著書多数。Amazonランキング健康・心理カテゴリ上位獲得。

Connect

公式サイト

参考文献・出典

  • ・Neck Pain: Revision 2017 (Clinical Practice Guidelines)
    https://www.jospt.org/doi/10.2519/jospt.2017.0302
  • ・A workplace exercise versus health promotion intervention…
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25306220/
  • ・Workplace-Based Interventions for Neck Pain in Office Workers
    https://academic.oup.com/ptj/article/98/1/40/4562646
  • ・Effectiveness of small daily amounts of progressive resistance training…
    https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0304395910007013
  • ・厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000207439.html
  • ・日本整形外科学会「肩こり」
    https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/stiff_shoulder.html
※本記事は情報提供を目的としており、医師の治療に代わるものではありません。
痛みが続く場合や、しびれ等の症状がある場合は専門機関を受診してください。

© cortis Co., Ltd. All Rights Reserved.

目次