サウナ禁忌5選|高血圧・妊娠中でも安全に楽しむ方法

※本記事は、サウナ&スパ健康アドバイザーの資格を有し、『サウナで健康づくりするための本』の著者である日原裕太(パーソナルトレーナー/cortis代表)が執筆しました。

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cortisちゃん

ねぇ日原トレーナー、サウナって気持ちよくてリフレッシュできるけど、誰でも入って大丈夫なの?

日原 裕太

うん、サウナは確かに魅力的な習慣だよ。でもね、心疾患や高血圧、それに妊娠中の方は注意が必要なんだ。知らずに入ると、体に負担をかけて健康リスクが高まることもあるんだよ。

cortisちゃん

えっ、そうなんだ!知らずに入って体調崩したら大変だね…

日原 裕太

だからこの記事では、サウナ禁忌を5つに分けてわかりやすく説明するよ。それぞれの状態に合った安全な入り方も紹介するから、読み進めれば自分や家族を守りながらサウナを楽しめるようになるはずだよ。

cortisちゃん

それなら安心してととのいを楽しめそう♪ 安全と快適さ、どっちも手に入れたいもんね!

日原 裕太

そう、そのためのヒントをたっぷり詰め込んだから、ここから一緒に見ていこう。

この記事でわかること

  • サウナ利用を避けた方が良い健康状態(5つの禁忌)
  • 各健康状態でサウナが危険となる医学的な理由
  • 厚労省・WHO・学会が示す注意点やエビデンス
  • 安全にサウナを楽しむための温度・時間・水分補給の工夫
目次

サウナ禁忌とは?安全に楽しむために知っておきたい基本

サウナは、心身を温めてリラックスさせ、血行促進や疲労回復などさまざまな健康効果が期待できる人気の習慣です。しかし、誰にでも無条件に安全というわけではありません。体調や持病によっては、サウナが大きな負担となり、健康を損なう危険があります。

厚生労働省の「入浴による健康影響」に関する資料では、高齢者や循環器疾患を持つ人は入浴による血圧変動や心負担に注意すべきとされています。

そこで知っておきたいのが「サウナ禁忌」です。これは、特定の症状や状態にある人がサウナに入ることを避けるべき理由や基準をまとめたものです。正しい知識を持てば、リスクを回避しつつサウナを楽しむことができます。まずはサウナ禁忌の意味と、その背景にある健康への影響を整理していきましょう。

心疾患がある場合のサウナ利用リスク

心疾患を持つ方は、サウナ利用によって心臓への負担が急激に高まる可能性があります。高温環境に入ると心拍数が上がり、血管が広がるため、一時的に血圧が下がります。しかし、その後の水風呂などによる急激な冷却は、再び血圧を急上昇させ、心臓に大きなストレスを与えます。

消費者庁は、こうした急激な温度変化がヒートショックを引き起こし、特に冬季には入浴関連事故の原因となると指摘しています。(消費者庁:サウナ浴での事故に注意)

こうした変化が発作や症状悪化の引き金となることもあります。

日原 裕太

心疾患のある方は、必ず主治医に相談し、低温サウナや短時間利用など、体に負担をかけない方法を選ぶようにしましょう。

高血圧・低血圧の方が注意すべきポイント

高血圧や低血圧の方は、温度変化による血圧の急激な上下動に注意が必要です。サウナに入ると血管が拡張し、一時的に血圧が下がりますが、水風呂や外気浴との繰り返しで大きな変動が起こります。この変化がめまいや立ちくらみ、転倒の原因となることもあります。また、高血圧の場合は心臓や血管への負担が増し、低血圧では脳への血流が不足しやすくなるため、血圧に不安がある方は、低めの温度設定や短い滞在時間から試し、こまめに休憩を挟むようにすると安全です。

脱水症状・熱中症の危険性と予防策

サウナは大量の汗をかくため、体内の水分とミネラルが失われやすくなります。これを放置すると脱水症状や熱中症につながり、頭痛や吐き気、けいれんなどを引き起こす危険があります。

厚生労働省の「熱中症予防マニュアル」では、入浴や運動時の発汗により失われる水分と塩分の補給が熱中症予防に不可欠であると示されています【厚労省 熱中症予防マニュアル】
予防のためには、入浴前後の水分補給が欠かせません。特に長時間サウナに入る場合や複数セットを行う場合は、塩分も合わせて摂取することが大切です。スポーツドリンクや経口補水液を活用すると効果的です。体調に異変を感じたらすぐに利用を中止し、涼しい場所で休むことが必要です。

妊婦のサウナ利用による母体・胎児への影響

妊娠中は、体温の急上昇や血圧変動が母体だけでなく胎児にも影響を及ぼす可能性があります。特に妊娠初期は胎児の発育が盛んな時期であり、高温環境は流産や先天異常のリスクを高める恐れがあります。
米国産婦人科学会(ACOG)は「妊娠初期のサウナ・ホットタブ利用は避けるのが望ましい」と明記しています。

産婦人科医を対象とした研究レビューでは、サウナやホットタブによって体幹温が高くなると、神経管閉鎖障害(NTD)のリスクが上昇する可能性が示されています。
(妊婦の温水浴槽やスパ利用に伴う高体温のリスク)

これらの観点から、妊婦さんがサウナを利用する際は医師に相談し、短時間かつ低温の環境を選ぶことが重要です。妊娠後期についても、血圧変動や転倒のリスクが高まるため、慎重な判断が求められます。

急性疾患・発熱・二日酔いなど一時的な体調不良時

風邪やインフルエンザなどの急性疾患、発熱時は、サウナの高温が症状を悪化させる可能性があります。
日本の消費者庁は「体調のすぐれないとき、病気の活動期(特に熱のあるとき)」はサウナ利用を避けるよう明確に注意喚起しています。(消費者庁:サウナ浴での事故に注意)二日酔いや飲酒後は脱水や循環動態の乱れが起きやすく、入浴・サウナは控えるべきと複数の資料で示されています(「飲酒後(二日酔いも含む)は利用を避けます」「飲酒後はアルコールが抜けるまでは入浴しないように」)。体調が万全でない時は、たとえ軽い不調でもサウナ利用は控え、完全に回復してから楽しむほうが安全です。

サウナ禁忌5選|入浴を避けるべき健康状態

サウナが健康に良いとされる一方で、特定の健康状態では危険を伴うことがあります。特に、心疾患や高血圧、脱水症状、妊娠中などは、体にかかる負担が増し、症状を悪化させるリスクがあります。
これらは単なる注意事項ではなく、場合によっては命に関わることもあるため、しっかり理解しておくことが大切です。ここでは、代表的なサウナ禁忌を5つ取り上げ、それぞれの理由と避けるべき状況を解説します。自分や家族が該当する場合は、利用を控えるか、医師の指導のもとで安全な方法を選びましょう。

心疾患がある場合のサウナ利用リスク

心疾患を持つ方は、サウナの高温環境が心臓に大きな負担をかけます。入室すると体温が上がり、心拍数が急増します。
その後の水風呂や外気浴による急な冷却は、血圧を急変させ、心筋梗塞や不整脈のリスクを高める恐れがあります。特に狭心症や心不全を抱える場合は危険度が高く、症状悪化や発作の引き金になりかねません。

日原 裕太

安全のためには、医師と相談し利用可否を判断することが必須です。

もし許可が出た場合でも、低温サウナや短時間利用にとどめ、休憩と水分補給をしっかり行うことが大切です。

高血圧・低血圧の方が注意すべきポイント

サウナでは温熱によって血管が広がり、一時的に血圧が下がります。その後の冷水浴で急激に血管が収縮し、血圧が一気に上昇することがあります。この大きな変動は、高血圧の方では脳卒中や心臓病のリスクを高め、低血圧の方では立ちくらみや失神を引き起こす可能性があります。特に入浴直後の移動や階段利用は転倒の危険があるため注意が必要です。

血圧に不安がある方は、低めの温度で短時間にとどめ、こまめに休憩を挟むと安全です。

また、入浴前後の血圧測定を習慣にすると、体への負担を可視化できます。

脱水症状・熱中症の危険性と予防策

サウナは大量の発汗を伴うため、短時間でも体内の水分とミネラルが急速に失われます。これを補給しないまま利用を続けると、脱水症状や熱中症を引き起こす危険があります。症状は口の渇き、頭痛、めまい、吐き気などで、重症化すると意識障害に至ることもあります。

予防には、入室前にコップ1杯程度の水分を摂り、セット間や退室後にもこまめに補給することが重要です。

特に長時間利用や夏場のサウナでは、ミネラル入り飲料や経口補水液を活用すると効果的です。体調の異変を感じたら、すぐに利用を中止しましょう。

妊婦のサウナ利用による母体・胎児への影響

妊娠中は体温や血圧の変動に対して敏感になっており、高温環境での長時間利用は母体にも胎児にも負担をかけます。特に妊娠初期は高体温が胎児の発達に影響を与える恐れがあり、流産や先天異常のリスクが指摘されています。また、妊娠後期では転倒や血圧変動による体調不良の危険が増します。妊婦さんがサウナを利用する場合は、必ず主治医に相談し、低温・短時間での利用に限定することが大切です。体調に少しでも不安があれば、無理をせず控える判断も必要です。

急性疾患・発熱・二日酔いなど一時的な体調不良時

風邪やインフルエンザなどで発熱しているときは、サウナによる体温上昇で症状が悪化する可能性があります。二日酔い時はすでに体が脱水状態にあり、サウナでさらに水分を失うことで、めまいや吐き気が強まったり、意識を失う危険があります。また、飲酒後すぐの利用は血圧変動や心臓への負担が大きく、非常に危険です。体調が万全でないときは、「少しくらいなら」と思わず、完全に回復してからサウナを楽しむことが安全につながります。

サウナ利用前に確認したい健康チェックリスト

サウナを安全に楽しむためには、入室前に自分の体調や健康状態をしっかり確認することが欠かせません。
体調が万全だと思っていても、知らないうちに疲れや脱水、血圧の異常が進んでいることがあります。特に初めて利用する方や久しぶりのサウナでは、無理をすると体調不良を招く可能性が高まるでしょう。事前チェックを行えば、リスクを減らしながら安心して入浴できます。
不安な点があれば自己判断せず、医師に相談することが重要です。ここでは、サウナ前に確認しておきたい2つのチェック方法を紹介します。

医師に相談すべき症状や病歴

持病や既往歴がある方は、サウナに入る前に必ず医師へ相談しましょう。特に心疾患、高血圧、脳卒中の既往、糖尿病などは、高温環境が症状を悪化させる可能性があります。また、最近手術を受けた方や、原因不明のめまい・動悸・息切れがある方も要注意です。医師は病状や薬の影響を踏まえ、サウナ利用が可能かどうか判断してくれます。自己判断で「大丈夫だろう」と考えるのは危険で、場合によっては命に関わることもあります。

安心してサウナを楽しむためにも、事前の相談は欠かせません。

自宅でできる簡易セルフチェック方法

サウナ前には、自宅や施設でできる簡単なセルフチェックも有効です。

日原 裕太

例えば、体温計で平熱かどうかを確認し、脈拍や呼吸の乱れがないかをチェックします。

立ち上がったときにめまいやふらつきがある場合は、血圧が安定していない可能性があります。また、前日からの水分摂取量や睡眠時間も重要な指標です。これらのチェックで少しでも異常があれば、その日は無理をせず利用を控えましょう。事前に体のサインを見極めることが、快適で安全なサウナライフへの第一歩です。

サウナ禁忌を回避するための安全な入り方

サウナは正しい入り方を守ることで、多くの人が安全に楽しめる健康習慣となります。たとえ禁忌に該当しない場合でも、入り方を間違えると脱水症状や血圧の変動、体力消耗といったリスクが高まります。特に初心者や高齢者、体力に自信のない方は、温度や時間、水分補給などの基本ルールをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、サウナ禁忌を避けつつ、安全に利用するための具体的なポイントを4つに分けて解説します。これらを実践すれば、体に負担をかけず、心地よい「ととのい」を安心して味わうことができます。

温度・時間・回数の目安

安全にサウナを楽しむためには、温度や時間、回数を自分の体に合わせて調整することが重要です。

一般的な目安として、高温サウナ(80〜90℃)は5〜10分程度、中温サウナ(60〜70℃)は10〜15分程度が適しています。

初めて利用する場合や体調に不安がある場合は、短めから始めて様子を見ましょう。回数は1〜3セット程度とし、無理に長く入ろうとしないことがポイントです。また、サウナから出る際は急に立ち上がらず、ゆっくりと動くことで立ちくらみを防げます。

水分補給と塩分補給のバランス

サウナでは大量の汗をかくため、水分と一緒に塩分やミネラルも失われます。これらを補わないまま利用を続けると、脱水症状や熱中症のリスクが高まります。入室前にコップ1杯の水を飲み、セットごとにこまめに水分を補給しましょう。長時間利用や夏場には、経口補水液やスポーツドリンクなど、塩分と糖分を含む飲料が効果的です。お酒やカフェイン入り飲料は利尿作用があるため避けた方が安全です。水分と塩分のバランスを意識することで、サウナ後の体調不良を防ぎ、快適に過ごせます。

クールダウンと休憩の取り方

サウナの効果を高めるためには、入浴後のクールダウンと休憩が欠かせません。水風呂に入る場合は、まず掛け水で体を慣らしてから入ると急激な温度差によるショックを防げます。苦手な場合は、ぬるめのシャワーや外気浴でも十分です。休憩は心拍数が落ち着くまで5〜10分を目安に取り、椅子に座って深呼吸するとより効果的です。このサイクルを守ることで、体温や血圧の変動が緩やかになり、安全に「ととのい」状態を楽しめます。

初心者や高齢者に適した低温サウナ活用法

サウナ初心者や高齢者、持病がある方には、低温サウナやミストサウナがおすすめです。温度が50〜60℃程度と比較的低く、体への負担が少ないため、長めに入っても安全性が高まります。発汗は緩やかですが、血行促進やリラックス効果はしっかり得られます。また、低温サウナでは会話や軽いストレッチを楽しみながら過ごせるのも魅力です。初めての方はまず低温から試し、慣れてきたら温度を少しずつ上げていくと、自分に合った快適な入り方が見つかります。

サウナ禁忌を知ることで得られるメリット

サウナ禁忌は「入ってはいけない人の条件」ではありますが、それを知ることは単に利用を制限するためだけではありません。むしろ、自分の体の状態を理解し、安全に楽しむための知識として役立ちます。禁忌を理解しておくことで、健康リスクを避けながら、サウナの効果を最大限に引き出せます。また、家族や友人など身近な人の安全にもつながり、周囲への配慮も可能になります。ここでは、サウナ禁忌を把握することで得られる3つの大きな利点を紹介します。

健康リスクを最小限にして効果を最大化

サウナは入り方を間違えると、心疾患や脱水症状、高血圧などのリスクが高まります。しかし、禁忌を知っていれば、そのリスクを事前に回避しながら利用できます。

日原 裕太

例えば、高血圧の人は低温サウナや短時間利用にすることで、安全に血行促進や疲労回復の効果を得られます。

こうした知識があれば、危険を避けつつ、サウナ本来のメリットをしっかり享受できるのです。結果として、心身のリフレッシュ度が高まり、利用後の満足感も向上します。

長く安全にサウナを楽しめる習慣作り

禁忌を理解しておくことは、サウナを長く続けるための重要な要素です。無理な入り方を繰り返すと体に負担が蓄積し、将来的に利用を控えざるを得なくなることもあります。一方、安全な入り方を身につければ、年齢を重ねてもサウナを楽しみ続けられます。特に高齢者や持病を持つ人でも、禁忌を踏まえて利用方法を調整すれば、心地よい習慣として取り入れることが可能です。こうした習慣作りは、健康維持やストレス軽減にもつながります。

家族や友人への安全なサウナ利用の提案

サウナ禁忌の知識を持つことで、自分だけでなく周囲の人を守ることができます。例えば、友人が二日酔いの状態でサウナに行こうとしていたら、危険性を説明して控えるように促せます。妊娠中の家族に対しても、安全な利用方法や代替のリラクゼーション法を提案できるでしょう。こうした配慮は、相手の健康を守るだけでなく、信頼関係を深めることにもつながります。周囲の人と安全に楽しめる環境を作ることは、サウナ文化をより健全に広めることにも貢献します。

まとめ|サウナ禁忌を理解して安心・快適なサウナライフを

サウナは心身を温め、リラックスや血行促進など多くの健康効果をもたらす魅力的な習慣です。しかし、体調や持病によってはリスクが伴い、無理をすると健康を損なう危険があります。本記事では、心疾患や高血圧、脱水症状、妊娠中、体調不良といった5つの代表的なサウナ禁忌を紹介しました。さらに、事前の健康チェックや安全な入り方を知ることで、リスクを回避しながらサウナの効果を最大限に活かせることもお伝えしました。
大切なのは、自分の体を理解し、その時々の状態に合った入り方を選ぶことです。禁忌を知っておくことで、安心してサウナを楽しむ環境を作れます。今日からは、正しい知識と準備をもって、快適で安全なサウナライフを満喫してください。

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