
最近、子どもが全然体を動かしたがらなくて…。体育もイヤがるし、体力も落ちてきてる気がするんです。

それは心配ですね。もしかしたら、運動に苦手意識があるのかもしれません。

でも無理にやらせると、もっと嫌いになりそうで…どうしたらいいんでしょう?

親御さんが一緒に取り組むことで、子どもも前向きになりやすいですよ。「親子トレーニング」は、実はとても効果的なんです。
親子トレーニングには、子どもの運動嫌いをやわらげるだけでなく、親子の絆や生活リズムにもいい影響を与える力があります。
この記事では、親子で無理なく楽しく続けられる運動の工夫や、家庭で実践しやすいトレーニングのアイデアをご紹介します。
この記事で分かること
- 子どもが運動を嫌がる背景と、放っておくリスク
- 親子トレーニングがもたらす効果
- 運動が苦手でも楽しめる、家族でできるトレーニング
- 三日坊主を防ぐ、親子で運動を続ける工夫
子どもが運動を嫌がるのはなぜ?苦手の背景と向き合う


子どもに運動をさせたいと思っても、「やりたくない」「つまらない」と拒否されてしまう…。そんな経験、ありませんか?
子どもが運動を嫌がる背景には発達段階や成功体験の有無、心理的な不安が関係していることがあります。
まずは、子どもが苦手意識をもつ理由を知ることが「前向きなサポート」の第一歩です。
なぜ運動嫌いになるの?3つの主な背景
子どもが運動を苦手に感じる背景には、主に以下の3つが挙げられます。
- 身体的な未発達
- 成功体験の少なさ
- 心理的なハードル
身体的な未発達
体幹や筋力、バランス感覚がまだ十分に育っておらず、動きがうまくできないことで「自分はできない」という思い込みが生まれやすくなります。
成功体験の少なさ
うまくできた経験がないと、子どもは自信をなくし、チャレンジする意欲も薄れていきます。運動が得意な子と比べられることで、さらに苦手意識が強まることもあります。
心理的なハードル
人前で失敗するのが恥ずかしい、叱られるのが怖いなど、心の面での不安がブレーキになっているケースもあります。

これらの理由は独立しているとは限らず、それぞれが絡み合っている場合も多いです。子どもが運動に消極的な主な理由を理解し、適切なサポートを意識していきましょう。
苦手なまま放置するとどんな影響がある?
運動が苦手なまま、何のサポートもなく過ごしてしまうと、将来的に体力や健康面だけでなく、自己肯定感や社会性にも影響が出てくる可能性があります。
- 成功体験を積めない
- 心理的なハードルがますます上がる
- 自己肯定感・自己効力感の低下
全国の小・中学生を対象とした「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(スポーツ庁)では、体育の学習以外での運動時間が長い子どもの方が、体力合計点が高いという結果が出ています。

引用:調査結果の概要(令和6年度・スポーツ庁)
日頃から体を動かす経験が少ないと、筋力や持久力が育ちにくくなり、遊びやスポーツの場でも「できないから」と引いてしまう傾向が強まります。成功体験を積む機会が失われ、ますます心理的なハードルが上がってしまいます。
また、苦手なことをそのままにしてしまうことで「頑張っても無駄だ」「どうせうまくいかない」と、自己肯定感や自己効力感の低下にもつながる可能性があります。
反対に、運動習慣がある子は姿勢、学業、社会性などに好影響を与えるとも言われています。
参考:運動習慣が小中学生にとって大切な理由――科学的根拠に基づく6つの視点|谷本一真のブログ
心身の健康のためには、日常的に運動を取り入れることが重要です。
親子で一緒にやるから効果的!「親子トレーニング」の魅力


運動習慣は大切ですが、無理にやらせると逆効果になりかねません。子どもが楽しく運動に向かうためには、親の関わりが重要です。
ここでは、子どもが前向きに取り組める「親子トレーニング」を紹介します。
運動能力向上だけじゃない!親子トレーニングの3つの効果
親子で取り組むトレーニングには、単なる体力向上以上のメリットがあります。
- 親子の信頼関係が深まる
- 子どもが安心して運動に取り組める
- 親の運動習慣にもなる
たとえば、一緒に体を動かすことで、コミュニケーションが自然と増え、信頼関係が深まります。言葉だけでなく、笑顔や息を合わせる動きの中で心が通いやすくなるのです。
また、子どもにとっては、親と一緒に行うことで安心感が生まれます。「見てもらえている」「応援してもらえる」と感じられる環境は、運動への前向きな気持ちにつながりやすくなります。
こうした心理的なサポートは、特に苦手意識を持つ子にとって大きな支えになるのです。
幼児期を対象とした研究「親子で一緒に身体を動かして遊ぶ頻度と子どもの心身状態との関連」では、以下のような報告があります。
親子での身体を使った遊びの実施回数が多い対象者ほど、実施した遊びで充実感、満足感m楽しさを感じられ情緒の安定に影響したと考えられた。
親子で一緒に身体を動かす遊びが少ない家庭は、子どもの心身の健康のため に,子どもと触れ合う機会を確保し,積極的にコミュニケーションを図っていく必要があると考えられた。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/healtheduchild/6/2/6_121/_pdf/-char/ja

さらに、習慣として取り入れることで、親自身の健康維持やリフレッシュにも効果的です。
家族みんなで体を動かす時間は、気づけば楽しい日課となり、自然と健康習慣が身についていきます。
家族で取り組むことで続きやすくなる理由とは?
運動を続けるうえで欠かせないのが「モチベーションの維持」です。
一人だとつい後回しにしがちな運動も、家族で取り組むと「一緒にやろう」という流れができ、自然と継続しやすくなります。声を掛け合ったり、スケジュールに組み込んだりすることで、習慣化へのハードルが下がるのも特徴です。
また、子どもにとっては「親と一緒にできること」がモチベーションのひとつになります。自分だけで頑張るのではなく、大人と並んで取り組むことで、特別感や満足感が得られやすくなるのです。

運動後に一緒に「楽しかったね」「今日はよく動いたね」と言葉を交わすだけでも、次の行動につながります。
親の姿勢が子どもの意識を変える理由
子どもは、大人の言葉よりも行動をよく見ています。親が「運動しなさい」と口で言うだけではなく、自ら楽しんで体を動かしている姿を見せることで、子どもの意識にも変化が生まれます。「運動はしんどいこと」ではなく、「やってみたい」「一緒にやろう」と思える空気が家庭内に広がっていきます。
また、親が挑戦している姿勢は、子どもにとってお手本になります。うまくできなくても挑戦する、失敗しても笑い合う。そんな時間を共有することが、子どもの「やってみよう」という気持ちを育むのです。
「親の変化が、子どもの変化につながる」というのは、運動習慣にも当てはまります。大人がまず一歩を踏み出すことで、子どもにも前向きなきっかけを与えることができます。
楽しいから続く!家族でできるおすすめトレーニング


親子トレーニングは、難しい動きや特別な道具がなくても始められます。ここでは、家の中や近所で気軽に楽しめる、おすすめの親子運動を紹介します。
遊び感覚でできる!室内トレーニング
- バランスポーズ真似っこ
- リズムスクワット
- コアキープチャレンジ
室内でもできる親子トレーニングは、天気に左右されず続けやすいのがメリットです。特に、ゲーム要素を取り入れた動きは、子どもにとって「遊び」として感じられるため、楽しみながら取り組めます。
バランスポーズ真似っこ
片足立ちやT字バランスなどを親子で出し合い、真似をするだけの簡単なゲームです。笑いながら取り組めるため、自然と体幹や集中力も鍛えられます。
リズムスクワット


音楽に合わせてスクワットを繰り返します。テンポよく行うことで、楽しみながら全身運動を行えます。
コアキープチャレンジ


親子でプランクを同時にスタートし、「どちらが長くキープできるか」に挑戦します。短時間でも体幹トレーニングに効果的です。
道具いらず!屋外でできる親子運動
外で体を動かすと、開放感とともに自然と気分もリフレッシュできます。スポーツ施設に行かなくても、公園や広場があれば十分に親子トレーニングは可能です。
- スタート&ストップラン
- 影踏みステップ
- 忍者鬼ごっこ
スタート&ストップラン
スタートの合図で走り出し、「ストップ!」で、ぴたっと止まります。子どもと合図係を交代するのも盛り上がります。
影踏みステップ
お互いの影を踏まないように動き回る遊び運動。全身を使いながら、反応力を伸ばします。
忍者鬼ごっこ
「音を立てずに動く」ルールの鬼ごっこです。走る速さより、集中力や慎重さが求められるので、運動が苦手な子どもでも取り組みやすいです。
親が全力で取り組みすぎないこともポイントです。少し力を抜いて子どもに合わせた動きにすることで、「やればできる」「お母さん(お父さん)と同じくらいできた!」という達成感が生まれやすくなります。

運動が苦手な子ほど、「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることが大切です。そのためには、シンプルな動きや短い時間から始める工夫が効果的です。
習慣化がカギ!親子で運動を続けるためのヒント


親子トレーニングは、続けることで効果を実感できるもの。でも、忙しい日常の中で継続するのは難しいこともあります。
ここでは、無理なく習慣化するコツを紹介します。
三日坊主にならない仕組みづくりのコツ
- 運動するタイミングや時間帯を固定する
- 最初からすべて取り組もうとしない
運動が長続きしない原因のひとつに「いつやるか」が決まっていないことがあります。まずは、生活の中に取り入れやすい時間帯を見つけ、曜日やタイミングを固定するのがおすすめです。たとえば「毎週土曜の朝10分」と決めておくと、迷わず取り組めるようになります。
また、「全部やろう」と張り切りすぎず、最初は一つの動きから始めるのがポイントです。小さな習慣を積み重ねることで、「続けられた」という感覚が自信につながります。
子どもがやりたくなる工夫とは?
子どものモチベーションを高めるために、次のような工夫をしてみましょう。
- カレンダーにシールを貼る
- 好きな音楽を流す
- 内容を子どもが決める
- 達成感が得られる声かけ
子どもにとって「楽しいこと」は、自ら続けたくなる力になります。たとえば、運動ごとにシールを貼るカレンダーを用意したり、お気に入りのBGMを流しながら行ったりと、ちょっとした工夫でモチベーションは高まります。
さらに、トレーニングの内容を子ども自身に選ばせるのも効果的です。「今日はどれにする?」と聞くだけで、主体性が生まれ、やる気が引き出されます。
そして何より大切なのは、終わったあとにしっかり褒めること。「よくがんばったね」「楽しそうだったね」という一言が、次への意欲につながります。
親自身も無理なく楽しめるポイント
子どもと一緒に運動をする際、親が「やらなきゃ」と義務感で取り組むと、続けるのがつらくなってしまいます。大人にとっても楽しめる工夫を取り入れることで、継続しやすくなります。
気分転換を兼ねて外に出る、親自身のストレッチタイムと組み合わせるなど、自分にとってのメリットも意識してみましょう。
無理のない範囲で楽しく続ける姿勢こそが、子どもにとって最良の見本になります。
まとめ:親子トレーニングは、子どもの未来への投資


親子で一緒に取り組むトレーニングは、運動能力の向上だけでなく、親子の絆づくりや生活習慣の見直しにもつながります。
特別な道具がなくても、日常の中で体を動かす時間を少しずつ増やすだけで、子どもの「やればできる」という気持ちを育てることができます。

最初は「楽しむこと」から。親も子も笑顔になれる時間が、自然と運動の習慣をつくっていきます。
「家ではなかなか続かない」「もっと本格的に体を動かしてみたい」と感じたら、親子で体験できるジムプログラムを利用してみるのもおすすめです。
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